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牛乳の価値を5倍に。牛乳屋さんの営むカフェに学んだ「体験の価値は偉大だ」という話。

体験は大きな付加価値になる。

京都にある牛乳専門のカフェ「GREEN FARM(グリーンファーム)」に行ってきたとき、このことを強く印象づけられました。

冷静に振り返ってみると、飲食店のようにシンプルな商品でビジネスを成立させてるって、実はすごいことなんだよなと、自分で始めてから強く思うようになりました。

焼き鳥屋にラーメン屋、世に飲食店は数え切れないほどあるわけですが。

牛乳に特化したお店ってとてもめずらしいので、改めて考えさせられるきっかけになったんですよね。

目次

日常生活から考えれば、コップ1杯200円は高い。

牛乳って、スーパーに行けば「1リットルの紙パックで」200円前後で買えちゃう商品なわけですが。

GREEN FARMさんでは、なんとコップ1杯200円で売れています。

つまり、普段売られてる牛乳の5杯の値段になってるということ。

もしスーパーで「牛乳1杯200円でーす」といわれたら、「ぼったくりだ!」と言われてしまう牛乳。

それがなぜ、GREEN FARMでは、みんなが喜んでお金を出すのか。

それは、「この商品になら200円払ってもいいな」と思わせるだけの「付加価値」をつけることができてるからなんでしょうね。

商品には「原料」「製品」「サービス」「体験」の4つの状態がある。

商品には、大きく4つの状態があります。

  1. 原料・・・原材料そのままの状態。牛乳でいえば、搾りたてでパック詰めする前のもの
  2. 製品・・・原料を加工した状態。牛乳でいえば、紙パックや牛乳瓶に詰めてパッケージされたもの
  3. サービス・・・特定の場所で製品を提供する状態。牛乳でいえば、喫茶店で出されるもの
  4. 体験・・・消費者自身も商品に関わる体験をする状態。牛乳でいえば、乳搾り体験、おいしいホットミルクを入淹れ方講座など

この中で、個人が商品に付加価値をつけるには、「体験」をくっつけるのが一番だといわれています。

GREENFARMさんは「お店で牛乳をとことんこだわって飲む」という「体験」を売っている。

GREEN FARMさんの場合は、お店で牛乳を出してもらうわけだから、主にサービスにあたります。

そこにメニューのバリエーションやトッピングでオプションを組み込むことで、さらに価値を高めているんです。

「1杯ずつ目の前に温めてもらう」ことのできるホットミルクなんかは、「体験」に近い状態といえるかも。

同じ飲みものでも、「レンジでチンして出される」よりも「65℃を温度計で測りながら、火を使ってじっくり温めてもらえる」のでは、まったく価値の感じ方がちがうわけですから。

一件「1杯ずつ温めるなんて非効率だ」と思うかもしれないけど、その「非効率性」にこそ価値がある。

GREEN FARMさんは、牛乳という飲みものを売ってるんじゃなくて、「お店で牛乳をとことんこだわって飲む」という「体験」を売ってるんですね。

これが、牛乳の値段が高くても買いたいと思われる理由。

体験を売ると価値が高まるというのは、牛乳に限らず、多くのビジネスに当てはまることでしょう。

原料と体験の価値の差は数十倍。

原料と体験の価値の差は数十倍以上にもなるんです。

実際、牛乳でもこれがあてはまっていますね。

原料はコップ1杯(200ml)2.6円。これが製品になると100円。そしてGREENFARMさんのようなサービス・体験になれば200円。80倍近い差がついてることになります。

牧場で行われる乳搾り体験ともなると500円を超える。200倍以上の差が付くことになるのです。

体験はそれだけ、人が価値を感じるものだということがわかりますね。

個人で戦うなら製品を売るのではなく、体験を売ろう。

モノはあふれてる時代。新しい製品はどんどん真似されて陳腐化してしまいます。

僕のように小さな事業を営む人たちは、資金力で大手に勝てないから、量産して売りさばくことはできない。「製品」で戦うのは厳しいといえるでしょう。

買うだけでは手に入らない、知っただけでは手に入らないもの。つまり「体験」という要素が必要なんです。

体験を売れば、僕らが希少性を生み、高い価値を持たせることができます。

牛乳というシンプルな商品も大きな価値を与えた、GREEN FARMさんのように。

牛乳配達よりも付加価値のあるサービスを提供したという意味でも、

僕らに牛乳の奥深さを伝えるという、新しい提案もしてくれたという意味でも、

GREEN FARMさんは、本当にすばらしい、勇気ある舵取りをしたんだなあと、勝手に帽子を脱いでおります。

僕も学ばねば。

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